「スケッチチャレンジ」とは?
AIに「このスケッチのイメージを再現して」と伝えるには、どんな言葉を選べばいい?
スケッチチャレンジでは、与えられたテーマ(例:漁港の朝、市街地の夕暮れ、紅葉の参道など)に合わせて、学習者自身が参考となる画像を収集し、その構図や要素、空間の広がりや光の様子などを言語で整理し、画像生成AIにスケッチ風の画像を描かせることに挑戦します。ここで重要なのは、創造性や芸術性を競うのではなく、題材を客観的・的確にAIに伝えるプロンプトを作成する力を身につけることです。
生成された画像は、あなたのプロンプト表現に基づいて、専用の評価AIによってチェックされ、構成や要素の明確さ、空間感の伝達力などの観点でフィードバックが返されます。
画像を「見て描く」のではなく、「言葉で描かせる」——そんな新しいスケッチ表現に挑戦してみましょう。
このチャレンジで身につく力
観察力と情報の抽出
- 形状の読み取り:対象物の輪郭、遠近感、光の方向、質感などを的確に把握し、視覚情報を整理する力を養います。
- 要素の選別:すべてを描写するのではなく、AIが再現に必要とする要素を見極めて取捨選択する判断力が求められます。
- 再現性の意識:主観的な印象ではなく、対象の構造や空間関係を客観的に伝える視点を身につけます。
プロンプトの作成技術
- 描写の具体性:色や光、構図、素材感などを具体的かつ明確に記述する力を育てます。
- 構成の工夫:重要な情報が論理的に伝わるよう、順序や文の組み立てを工夫する力を養います。
- あいまいさの排除:印象的な表現に頼らず、AIに誤解されない明快な記述を目指します。
画像生成AIとの対話力
- 試行と評価:AIは同じプロンプトでも毎回異なる画像を生成します。結果に一喜一憂せず、複数回の生成を通じて精度を見極める観察力を高めます。
- AIの特性理解:画像生成AIごとに描写の得意・不得意があります。目的に応じてAIを選択・切り替える判断力が身につきます。
- 生成結果との比較:自分のプロンプトが画像にどう反映されたかを分析し、意図と結果のズレを言語的に検証する力を鍛えます。
視覚表現と言語の接続
- 構造の言語化:遠近法、奥行き、光と影のバランスなど、視覚的要素を曖昧さなく文章で表現する力を培います。
- 他者との共有:観察に基づいた描写を言語化し、それをAIを通じて他者に提示することで、視覚と論理をつなぐコミュニケーション力が高まります。
このチャレンジのルール
アップする画像は、自分でつくったものだけ!
このチャレンジでは、自分で考えたプロンプトを使って、AIが生成した画像だけを提出してください。
インターネット上から拾ってきた画像や、他の人が作った画像をそのまま使うことはできません。
参考画像はアップしないでOK。見て考えるだけで十分!
スケッチのテーマに合った画像を探すのは自由ですが、その画像をAIにアップロードして使うのはNGです。
また、他人が作成した画像を加工・編集したうえでAIに再利用することも、著作権上の問題があるため禁止します。
参考画像はあくまで自分の観察や言語化のヒントとして使い、AIには文章で指示を出しましょう。
プロンプトはAIへの設計図。まじめに組み立てよう!
単語の羅列や意味の通らない表現は避けて、構図や空間、光、質感などを具体的に伝えるプロンプトを目指しましょう。
AIに伝える力=言語力です。
著作権やスタイル模倣に注意しよう
たとえ著作権が切れている作品でも、モナリザや浮世絵などの著名な美術作品をそのまま模写させるプロンプトや、「◯◯風(例:ジブリ風、ディズニー風)」といった特定の作風を模倣するプロンプトは避けてください。
AIの訓練データや出力の性質上、特定の美術館や企業の権利に抵触する可能性があるため、教育活動では使用できません。
フィードバックを活かして、リトライ大歓迎!
評価AIのコメントは、成績ではなく「よりよく伝えるためのヒント」です。
うまくいかなかったら、どこを直せばいいか考えて、何度でもチャレンジしてみましょう。
わからないときは、仲間や先生、AIに聞いてOK!
構図の説明に迷ったら、友達と相談したり、先生に聞いたり、AIにヒントをもらうのもOKです。
誰かの目線が、あなたの表現を一歩進めてくれるかもしれません。
学習の流れ
1. テーマの確認
スケッチチャレンジでは、お題ガチャであらかじめスケッチのテーマ(例:「港町の朝」「紅葉の参道」など)を選んでおきましょう。
元となる画像は教材から提供されないため、自分でインターネット上の画像や実際の風景などから参考資料を探して構図や要素を把握しましょう。
お題ガチャ
2. 観察と情報整理
参考画像をよく観察し、構図、視点、光、空間の広がり、素材感などの要素を抽出します。
ただし、著作権のある画像をAIにアップロードしたり、加工して使うことは禁止です。
あくまで言語化のヒントとして参考にし、AIには文章(プロンプト)だけで指示を出すことがこのチャレンジのルールです。
3. プロンプトの作成
観察した内容をもとに、AIがイメージを再現できるような具体的で論理的なプロンプトを作成します。
被写体の位置や構図、時間帯や光の方向、視点の高さや奥行き感など、できるだけ詳しく伝えるよう意識しましょう。
※注意:「◯◯風に描く」「◯◯っぽく」といった作家名・作品名・ブランド名を使ったスタイル指定はNGです。
これらの表現は、著作権や商標の観点から問題になるだけでなく、評価AIによって作品ごと拒否(採点不可)と判定されることがあります。
代わりに、「柔らかい色調で」「筆跡を感じるように」「温かみのある雰囲気で」など、抽象的で中立的な表現を使って、スタイルや質感を伝えてみましょう。
4. 画像の生成と提出
作成したプロンプトを画像生成AIに入力し、生成された画像を確認します。
思い通りの画像が出なかった場合でも、すぐにプロンプトを修正せず、何回か試行して違いを観察するのも大切です。
納得のいく画像ができたら、画像とプロンプトをセットで提出します。
画像を生成する
提出する
5. フィードバックの確認と再挑戦
提出内容は、評価AIによって構図の明確さや空間の再現度、要素の伝達力などの観点から評価されます。
フィードバックをもとにプロンプトを改善し、画像を再生成することで、より伝わる表現を目指しましょう。
チャレンジのヒント
「◯◯風に描く」はNG。言葉で雰囲気を伝えよう!
「ジブリ風」「ピカソ風」など、特定の作家や作品名・ブランド名を使ってスタイルを指定するのは避けましょう。
代わりに、「柔らかい色調で」「筆のタッチを感じるように」「明暗のコントラストが強く」など、抽象的な表現で伝えると効果的です。
構図や視点をしっかり伝えよう
被写体が画面のどこに配置されているか、どの方向から見た風景か、カメラの高さはどうかなど、視点に関する情報を丁寧に伝えると、AIが構図を理解しやすくなります。
空間の広がりや奥行きも忘れずに
手前に小道」「背景はぼんやりとした山並み」など、奥行き感や空間のレイヤーを言葉にしてみましょう。全体のバランスが良くなります。
光と影の関係を意識しよう
「朝のやわらかい光が差し込む」「建物の影が右側にのびている」など、光源と影の位置を具体的に示すことで、リアリティが増します。
質感や素材感にも注目
濡れた石畳」「ざらついた岩肌」「つるつるした金属の柱」など、手ざわりを感じるような表現を入れると、細部まで伝わるプロンプトになります。
不要な情報はできるだけ省こう
あれもこれも伝えようとしすぎると、AIが混乱してしまうことも。主題を明確にして、必要な情報を整理して伝えるようにしましょう。
評価のポイント
スケッチの内容や構図の再現度
- 自分で選んだ参考画像や構想に基づいて、視点・構図・空間の広がりなどが的確に再現されているか。
- 主題となる対象の位置や大きさが、全体のバランスに合っているか。
- スケッチを見たことがない人でも、画像からテーマや情景が自然に伝わるか。
プロンプトの構成と明瞭さ
- 情報が論理的に整理されており、構図や雰囲気が順序立てて伝わるか。
- 主役(主題)・背景・光・素材など、必要な要素が明確に書かれているか。
- 曖昧な表現を避け、AIに誤解を与えない具体的で中立的な表現になっているか。
- 特定の作家名やブランド名(例:「◯◯風」)を使用せず、適切な表現に配慮しているか。
画像との一致度と完成度
- プロンプトで意図した構成や印象が、画像に的確に再現されているか。
- 空間の奥行きや明暗の関係などが、自然な仕上がりになっているか。
- プロンプトで指定した視点・雰囲気・構成が、画像上に反映されているか。
観察力と情報の伝達精度
- 視覚的特徴をよく観察し、それを適切な言葉で伝えようとする努力が見られるか。
- 重要な情報を選び、伝える順序や表現に工夫があるか。
- AIに頼るのではなく、自らの観察と言語化によって情報を伝えようとする意識があるか。
試行の工夫と柔軟性
- 1回目の生成で満足せず、複数回試して改善点を見つけようとしたか。
- 生成AIの特性を理解し、必要に応じて別のツールに切り替える判断ができたか。
- 評価AIのフィードバックをもとに、プロンプトを改善しようとする意識が見られたか。