世界はデータで動いている 中学レベルで学ぶ統計・データリテラシー教材

企業や行政でも直面する課題:サイロ化と活用不足

大人の社会も悩んでいる

「データが大事」って言われてるのに、実は大人の世界でも、うまく使えてないことが多い。経済産業省の調査(2023年「企業のDX推進実態調査」)によると、データを十分に活用できている企業は全体の約30%だけ。残りの70%は「データはあるけど活かせていない」状態なんだ。
理由の一つが「サイロ化」。05-04で学んだように、部署ごとにデータがバラバラで、つながっていない。営業のデータ、製造のデータ、経理のデータ—全部別々のシステムに入っていて、「会社全体で見たら何が起きてるか」がわからない。自治体も同じ。住民課、福祉課、教育委員会—それぞれがデータを持っているのに、連携できていない。
もう一つの問題は「人材不足」。データを分析できる人が足りない。総務省の調査(2024年「ICT人材需給に関する調査」)では、2030年には約79万人のIT・データ人材が不足すると予測されている。

なぜ活用できないのか?

データをうまく使えない理由は他にもある。
一つは「文化」の問題。「昔からこうやってきたから」という考えが強くて、新しいデータの活用方法を取り入れにくい。
もう一つは「リテラシー不足」。データを読み解ける人が少ない。せっかくデータがあっても、「どう分析すればいいかわからない」「結果をどう判断すればいいかわからない」という状態。
さらに「コスト」の問題もある。システムを統合したり、新しいツールを導入したりするのにはお金がかかる。特に中小企業や地方自治体では、予算が限られている。
デジタル庁が設立されたのも(2021年)、こうした課題を解決するため。
国全体でデータを活用できる社会をつくろうという動きが始まっている。でも、まだまだ道半ば。これからの社会を担う君たちの力が必要なんだ。

未来をつくるのは君たち

「大人でもできてないなら、無理じゃない?」って思った?でも逆に考えてみよう。今の大人たちが苦労していることを、君たちの世代なら最初から「当たり前」にできるチャンスがある。
今、データリテラシーを学んでおけば、将来どんな組織に入っても「この人、データがわかる!」って頼られる存在になれる。実際、今の若い世代はデジタルネイティブ。生まれたときからスマホやネットがある環境で育ってきた。データを使うことへの抵抗感も少ない。文部科学省も「GIGAスクール構想」で、学校でのICT教育を推進している。
君たちは、データを使いこなす力を身につけた「最初の世代」になれる。そして、大人の世界が抱える課題を、君たちが解決する時代がくる。未来は、君たちの手の中にあるんだ。