世界はデータで動いている 中学レベルで学ぶ統計・データリテラシー教材

誤情報やバイアスに惑わされないために

データで嘘をつく方法

グラフって、見せ方で印象がガラッと変わる。たとえば、商品Aの売上が「100万円→120万円」に増えたとする。これを縦軸を90万円スタートにしたグラフで見せると、すごく急激に伸びてるように見える。
でも縦軸を0スタートにすると、20%増加という普通の成長に見える。総務省統計局の「統計グラフの作り方」でも注意喚起されている通り、グラフの縦軸を操作するのは典型的な印象操作だ。
他にも、都合の良いデータだけ選んで発表する手法もある。「この商品を使った人の90%が満足!」って見ると良さそうだけど、実はアンケート回答者が10人だけだったら?SNSでは、こういう「一見データに見える情報」が日々拡散されている。
総務省の調査(2024年「インターネット上の誤情報に関する調査」)によると、10代の約40%が「SNSで誤情報を信じた経験がある」と答えている。

データを疑う目を持とう

じゃあ、どうすれば騙されないか?まず「情報源」を確認すること。
「誰が」「どこで」発表したデータなのか。公的機関(総務省、厚生労働省など)や、学術論文、信頼できる報道機関の情報かどうか。
次に「サンプル数」をチェック。「○○な人が多い!」という主張でも、調査対象が10人なのか10,000人なのかで信頼性は全然違う。
さらに「反対意見」も探してみる。一つの情報だけじゃなくて、違う角度の情報も見る。これをクロスチェックという。たとえば「ゲームは成績を下げる」というデータを見たら、「ゲームと成績の関係を調べた別の研究は?」「他の要因(睡眠時間とか)は調べてる?」と疑問を持つ。
ファクトチェック団体(日本ファクトチェックセンターなど)の活動も参考になる。彼らは怪しい情報を徹底的に調べて、事実かどうか検証している。

正しく疑い、正しく信じる

「データを疑え」って言うと、「じゃあ何も信じられないじゃん」って思うかもしれない。でも違う。大事なのは「健全な疑い」。
全部を疑うんじゃなくて、「本当かな?」「他の可能性は?」と一度立ち止まる習慣だ。これを批判的思考(クリティカルシンキング)という。
たとえば、友だちが「この動画すごいよ!」ってシェアしてきたら、見る前に「誰が作ったの?」「情報源は?」と確認する。それだけで、デマに踊らされる確率はグッと下がる。
データリテラシーは、データを使いこなす力でもあるし、データから自分を守る力でもあるんだ。