1993年、日本中がパニックになった出来事がある。「米不足」だ。スーパーから米が消え、人々は何時間も並んで米を買った。でも実は、本当に米が足りなかったわけじゃない。農林水産省の記録(「平成5年産米をめぐる状況について」)を見ると、確かにその年の収穫量は冷夏の影響で減ったけど、輸入や備蓄を合わせれば十分な量があったんだ。
問題は、「米が足りない」というニュースが流れたこと。人々は「買えなくなる前に買わなきゃ」と走り、それを見た人がさらに買いに走り…という連鎖。
データでは「大丈夫」なのに、人々の不安という「データに出ない要素」が社会を動かした。テレビで「スーパーに行列」という映像が流れると、「本当に大変なんだ」と思ってしまう人間心理。データだけでは読めない部分があった。


