ショートムービーを作ってみよう

撮影した映像にはフレームがある

カメラやタブレットを使って動画を撮影(さつえい)する場合、モニターや機材の画面を見ながら撮影することになりますが、当然ながらそこに表示されている以外の範囲は動画にはうつりません。このように映像を制作する場合は、現実の世界から必要な部分を切り取る「ワク」が存在することになりますが、このワクが「フレーム」です。

このフレーム内にうつすひ写体の範囲や大きさ、フレームの内での位置など決めることを「フレーミング」(構図)と言います。フレーミングは、映像で表現するときにとても重要な意味を持ちます。どのように切り取って撮影するかによって、いろいろな表現が可能になりますので、ひ写体の大きさや配置、カメラやビデオのポジションやアングルについて考えてみましょう。

ひ写体の大きさ(ショット)

撮影(さつえい)対象になるひ写体の大きさによって、見る人に与える印象を変えることが出来ます。

ロングショット/ルーズショット

遠くからの遠景撮影、まわりの風景などをふくめて撮影した「引きの」ショット。
客観的な見方でまわりの様子を説明したり、画面の空間的なおく行きを表現することができます。

ロングショット/ルーズショット

フルショット

対象となるひ写体の人物を全身から7割くらいの割合で撮影したショット。
人物の動きに注目して、ひ写体の動きと場のふんいきを表現することができます。

フルショット

バストショット/タイトショット

ひ写体の頭から胸の下あたりを撮影したショットで、もっとも使われる表現方法のひとつ。
登場人物の表情が分かるので安定感を与え、安心して見られる画面作りができます。

バストショット/タイトショット

クローズアップショット

カメラやビデオのレンズをひ写体に思いきり近づけたショット。
ひ写体の感情にせまるインパクトのある表現や、印象的に画面を切りかえるときにも用います。

クローズアップショット

ひ写体の配置

画面内の撮影(さつえい)対象になるひ写体の位置によって、見る人が感じる印象を変えることができます。

日の丸構図

フレームの中央にひ写体を配置します。
見る人を注目させる効果がありますが、左右や画面の四すみとのバランスを考える必要があります。

日の丸構図

三分割(さんぶんかつ)法

画面をたて横均等に三分割して、線の交差した4つのポイントにひ写体を配置します。
見る人を注目させる効果がありますが、左右や画面の四すみとのバランスを考える必要があります。

三分割法

黄金分割(おうごんぶんかつ)

画面内に対角線を引き、別の角からその対角線にすい直線を引いた4つの交点にひ写体を配置します。
ビデオのように画面のたて横比が横長な場合、三分割法より交点が外側にくることで画面に余ゆうが生まれ、ゆったりとしたふんいきをつくるのに向いています。

黄金分割

三角構図

三角形のちょう点にひ写体を置いたり、フレームの中に三角形の線ができるようにします。
おくゆきや安定感を出す効果があり、バストショットの撮影はこれに該当します。

三角構図

ポジションとアングル

撮影(さつえい)するカメラやタブレットの位置や角度によっても画面の印象は大きく変わります。

カメラ位置(ポジション)

カメラ位置(ハイポジション・アイレベル・ローポジション)

アイレベル

カメラマンの目の高さで、自然にカメラやビデオを構えます。
人間の主観ショットとしてよく用いられ、現実に近いふんいきを出します。

アイレベル

ハイポジション

高い位置からの撮影で、台に乗ったり、ビルの上から撮影します。
広がりのある画面で、ゆったりとしたムードを作ります。

ハイポジション

ローポジション

低い位置からの撮影で、しゃがんだり、ねそべって撮影します。
子どもやペットからの見た目など、見る人自身が小さくなったような気持ちを生み出します。

ローポジション

カメラ角度(アングル)

水平アングル

カメラのレンズが水平に保って撮影するアングル
見た目のまま無理のない安定感のある画面作りができます。

水平アングル

ハイアングル

カメラの角度を下に向けて撮影するアングル(俯瞰:ふかん)
強い客観性を与え、奥行きのある広い画面で説明に向いた画面が作れます。

ハイアングル

ローアングル

カメラの角度を上に向けて撮影するアングル(あおり)
ひ写体の大きさや高さが強調されて、迫力のある画面作りができます。

ローアングル
ローアングル
ローアングル