暗号アルゴリズム
暗号アルゴリズムは、データを保護し、不正アクセスやデータ漏洩から防ぐための基本的な手段です。暗号アルゴリズムは主に、対称暗号アルゴリズムと非対称暗号アルゴリズムに分類され、それぞれ異なる用途と特性を持ちます。

対称暗号アルゴリズム
- AES (Advanced Encryption Standard)
- 高いセキュリティを提供し、広く利用されています。
- DES (Data Encryption Standard)
- 古く、現在は安全でないと考えられています。
- 3DES (Triple Data Encryption Standard)
- DESの改良版で、データを3回暗号化します。
非対称暗号アルゴリズム
- RSA
- 公開鍵と秘密鍵のペアを利用し、広く利用されています。
- ECC (Elliptic Curve Cryptography)
- 低い計算コストで高いセキュリティを提供します。
- ElGamal
- 鍵交換やデジタル署名に利用されます。
ハッシュ関数
ハッシュ関数は任意長のデータを固定長のハッシュ値に変換する暗号技術です。データの一部が変わるとハッシュ値も大きく変わり、元のデータをハッシュ値から復元することは計算上不可能です。セキュリティ分野でデータの完全性確認や認証に広く利用されています。
- MD5 (Message Digest Algorithm 5)
- 出力長さ: 128ビット(16バイト)
- 用途: ファイルのチェックサム(チェックデータ)、データの一意性の確認
- 特性:
- 速度が速い。
- 衝突耐性が低い。つまり、別々のデータで同じハッシュ値が出る可能性がある。
- 注意点: セキュリティにはあまり向いていない。今はあまり使われない。
- SHA-1 (Secure Hash Algorithm 1)
- 出力長さ: 160ビット(20バイト)
- 用途: SSL/TLS 通信、データの一意性と完全性の確認
- 特性:
- MD5よりも衝突耐性が高いが、今日のコンピューターの能力で衝突を見つけることが可能。
- 注意点: セキュリティに関する用途では今は推奨されていない。
- SHA-256 (Secure Hash Algorithm 256-bit)
- 出力長さ: 256ビット(32バイト)
- 用途: 暗号通貨(Bitcoinなど)、高度なセキュリティが求められる場面
- 特性:
- 高い衝突耐性と安全性。
- MD5やSHA-1よりも処理速度は遅いが、セキュリティが高い。
以下のハッシュ計算機を使って、任意の文字列からSHA-1とSHA-256のハッシュ値を計算しましょう。テキストを入力して「ハッシュ値を計算」ボタンを押すだけで、文字列のハッシュ値が表示されます。ハッシュ関数の実際の動作を体験してみてください。
任意の文字列のハッシュ値を計算
SHA-1:
SHA-256:
注釈: MD5は、別々のデータで同じハッシュ値が出る可能性があり、現在はあまり使われていません。