プログラムを設計しよう

著作権は大切に

皆さんが作ったプログラムやその中で使われているイラスト、写真、文章、音楽などには「著作権」という権利があります。
著作権は子どもでもお年寄りでも、だれもが自分で考えて作った作品に自動的に生じる権利です。他の人が無断で、勝手に使うことは禁じられています。

友だちが撮った写真や描いたイラストも、その人が「使っていいよ」と言ってくれなければ、自分のプログラムに使うことはできません。
人気アニメ番組の録画や市販ソフトを違法にネットにアップロードした人が著作権侵害で逮捕されたりする事件も起きています。

でも、著作権が切れていたり「自由に使ってください」と公開しているプログラムやイラスト、音楽などもあります。

まず、「創作性」が無いものは著作権保護の対象外です。

スクラッチでLEDを点滅させるとか、パイソンで「Hello World!」と表示させるような例題的なプログラムには著作権はありません。

「はやぶさ2号のカプセルが2020年12月6日、オーストラリアで回収された」「2020年のプロ野球日本シリーズ、ソフトバンクが巨人に4戦全勝した」といったように事実だけを書いたものにも著作権はありません。

作者が亡くなってから70年以上たった作品は著作権の制限がなくなります。
だから夏目漱石の文、ゴッホの絵、ベートーベンの音楽などは自由に使うことができます。

また、生きている人の作品でも「フリーソフトウェア」「オープンソースソフトウェア」「パブリックドメイン」「著作権フリー」「コモンズライセンス」などを宣言している場合は、その人に許可を取ることなく、自由に使えます。
スクラッチのプログラムはスクラッチのサイトにアップロードすることで、誰もが自由に動かしたり、コピーしたり、配ったり、作り替えたり(リミックス)することができます。

ただ、これら自由に使える作品でも「描き換えないで」「無料ならいいけど売るのはダメ」といった制限が付いている場合もあります。使用条件には注意しないといけません。

それでは、スクラッチのサイトに紹介されている作品(プロジェクト)の中身を編集して自分の作品として発表したり(リミックス)、自分のプログラムに組み込んで使っても、著作権は問題にならないのでしょうか?

じつは、スクラッチの公式サイトに作品を公開した作者は「自分の作品が共有されたり改変されたりして良い」ことに同意するようになっているのです。 このしくみを「クリエイティブ・コモンズ」(CC BY-SA 2.0)と言います。

スクラッチの公式サイトのコンテンツには、「クリエイティブ・コモンズ」であることを示すマークが表示されています。(「ようごしゅう」のページ)

ですので、スクラッチの公式サイトに公開されている作品は、中身を変更して使っても著作権侵害にはならないのです。 くわしく知りたい方は、Scratch Wikiの「Scratchプロジェクトのライセンス」をお読みください。

ただし、注意しなければいけないのは「スクラッチの作品は著作権が放棄されている」わけではない、ということです。あくまでも、著作権は元々の作品を制作された方にあるのです。

そして、もう一つ注意することが「すべてのスクラッチの作品がクリエイティブ・コモンズの対象ではない」ということです。クリエイティブ・コモンズの対象は、基本的にはスクラッチの公式サイトに掲載されている作品です。オフライン版や別のWebサイトで紹介されている作品など、スクラッチの公式サイト以外から入手した作品はクリエイティブ・コモンズの対象とは限らないので、作者に無断でリミックスして発表すると著作権侵害になる可能性があります。

ページの先頭へ