マイクロビットというマイコンを動かしているソフトは、ファームウェアと呼ばれています。ファームウェアはハードウェアに書き込まれており、ユーザーは意識せずにマイクロビットの機能を利用することができるのです。
マイクロビットは「DAPLink」という名称のファームウェアを使用しています。この「DAPLink」は更新されており、新しい機能が追加されることがあります。けれども、ファームウェアは自動では更新されません。もしもファームウェアが古いままだと、マイクロビットの新しい機能が使えないことがあるのです。そのため、不具合がなく使用できていても、ファームウェアは定期的に更新することをお勧めします。
それでは、ファームウェアの更新の手順をご紹介しましょう。
*以下の手順はWindows10のものです。
まず、使用しているマイクロビットのファームウェアのバージョンを確認しましょう。
パソコンにマイクロUSBケーブルでマイクロビットを接続し、ドライブとして認識されたらエクスプローラで開きます。そこにあるDETAILS.TXTファイルにマイクロビットの情報が書かれています。
下の例では、マイクロビットはDドライブ(MICROBIT(D:))に割り当てられていますが、このドライブ名は実際の環境によって異なる場合があります。
メモ帳やテキストエディターなどで、DETAILS.TXTファイルの中身を確認します。
「Interface Version」の行にある数字がファームウェアのバージョンです。 このマイクロビットの例では「0251」、つまりv0251のファームウェアが書き込まれていることが分かりました。
ここで、いったんパソコンからマイクロビットの接続を外します。
ファームウェアの「DAPLink」は、Githubに無償公開されています。下記のリンクで、入手可能な最新のバージョンが表示されます。
例では、最新版は「REL v0254」です。
先ほど確認したマイクロビットのファームウェアは「v0251」でしたので、更新可能であることが分かりました。
このページを下にスクロールしていくと、ダウンロードできるリンクがあります。
「Assets」の一覧から「****_release_package_f499eb6e.zip」を選んでダウンロードし、ファイルを展開します(この例では0254_release_package_f499eb6e.zip)。
展開したフォルダ「****_release_package_f499eb6e」にはたくさんのファイルが並んでいますが、使用するのは拡張子が「hex」のものです。マイクロビットのプログラミングを行ったPCであれば、アイコンがマイクロビットで表示されていると思います(この例では、0254_kl26z_microbit_0x8000.hex)。
いよいよ、マイクロビットに新しいファームウェアを書き込みます。
ファームウェアを更新するには、まずはマイクロビットを通常モードでなく、メンテナンスモードでパソコンに接続します。
マイクロビット裏面のリセットボタンを押し続けながら、パソコンにマイクロUSBケーブルでを接続して、リセットボタンを離します。メンテナンスモードで接続できていれば、エクスプローラの表示がMICROBIT(D:)でなく、MAINTENANCE(D:)と表示されているはずです。もしもMICROBIT(D:)のままという場合は、リセットボタンを離すタイミングが早すぎたので、USBケーブルを外してもう一度接続しなおしてください。なお、このドライブ名は実際の環境によって異なる場合があります。
メンテナンスモードのMAINTENANCE(D:)に、新しいファームウェアのファイル(この例では、0254_kl26z_microbit_0x8000。hex)をコピーします。
コピーが完了すると、いったんエクスプローラからマイクロビットの表示が消えますが、MICROBIT(D:)のウィンドウが開きます。
これでファームウェアの更新は完了です。
更新が成功したか確認してみましょう。
エクスプローラからDETAILS。TXTファイルを開き、「Interface Version」の行の数字を確認します。例では「0251」から「0254」に変わっています。
なお、ファームウェアを更新するとマイクロビットが初期化されるわけではありません。最後に書き込んだプログラムは、そのまま記録されています。