用語集

人工知能編

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機械学習

人間がプログラムに知識を一つ一つ入力していくのではなく、ある程度の数のデータを読み込ませ、そのデータから規則やルール、判断基準などを自動的に学ばせる人工知能の手法です。
たとえば0から9までの手書き数字の画像や犬と猫の写真などを大量に学習させ、手書き数字や犬・猫の判断ができるようになります。

ディープラーニング

人間の神経細胞はいくつかの刺激を受け取り、ある程度の以上の強さになると次の神経に刺激を送るようになっています。ディープラーニングはこの神経細胞の動きを真似し、信号を受け取る入力層と判断結果を出力する出力層の間に何段も中間層を持つことで音声認識や画像認識、言語処理など複雑な処理を可能にしています。機械学習の一つです。

音声認識・画像認識

人の声を聞いて命令を判断したり、画像を読んで何が写っているかを判断する人工知能の機能です。
スマートフォンやスマートスピーカーに「今は何時?」「部屋の電気を付けて」と命令したり、スマホのカメラで持ち主かどうか判断したり、自動車が車線をはみ出していないかなど、様々な分野で使われています。

自然言語処理

人間が普通にしゃべったり、読み書きしている言葉を人工知能が分析することです。
自然言語でない言語はプログラミング言語などがあたります。
キーボードから入力したかなを漢字に変換したり、日本語を外国語に翻訳したり、しゃべった内容を文字に書き起こしたりすることが実現しています。

自動運転

自動車や電車、飛行機などを人工知能を使って自動的に運転する技術です。
自動車の自動運転は運転自動化無しのレベル0から完全運転自動化のレベル5までの段階があります。
日本では2020年現在、高速道路などで時速60km未満で走行する場合、ハンドルから手を離したり、スマホを見ていてもとっさの時に運転手が運転操作を行うことで自動運転を認める「レベル3」が許可されています。

エキスパートシステム

弁護士や医師、薬剤師など専門家の知識を人工知能に入力して知識ベースを構築しておき、これに質問することで専門家の知識が利用できる人工知能のことです。
1980年代に期待が高まり、世界各国で巨額費用をかけてエキスパートシステムの構築が進められましたが、専門家の知識はすべてが文章化できないこと、入力に膨大な手間がかかることなどから実用化が難しく、廃れてしまいました。

ニューラルネットワーク

人間の神経細胞をニューロンといいます。ニューロンの動きをコンピュータで実現しようという手法の一つがニューラルネットワークです。
神経細胞は複数の刺激(痛み、温度、光など)を受け取り、それらがあるレベルに達して「発火」という状態になると次の神経細胞に刺激を送る「シナプス」という構造になっています。
ニューラルネットワークは複数の入力を受け取り、それぞれに適切な値をかける「重み付け」という処理を行い、あるレベルに達すると出力を出す「パーセプトロン」のネットワークでできています。

パイソン(Python)

プログラミング言語の一つです。文法がシンプルでいろいろな分野で使われていますが、ラズベリーパイやマイクロビットのプログラムを書くのにも使われています。
Googleが人工知能の開発に採用し、人工知能用のプログラム集を無料で公開したことから、人工知能の開発用として注目されています。

ロゴ

LOGO。数学者で教育研究家だったシーモア・パパートが開発した教育向けのプログラミング言語です。
画面に亀(タートル)のアイコンを表示し、簡単な命令で亀を歩かせることができる「タートルグラフィックス」を備えています。8歳から12歳の子どもに使いやすいことを目標としていました。
オリジナルは英語で命令を書かなければなりませんでしたが、日本語が使えるように拡張した「ロゴ坊」「ドリトル」などが日本の学校で使われました。

データサイエンティスト

インターネット上で集められた膨大なデータ(ビッグデータ)を分析・解析し、ビジネスに利用するための情報を引き出す仕事のことです。
プログラミングの能力よりも数学的能力、特に統計解析の知識能力が重要で、ビジネスセンスやコミュニケーション力も求められます。
優秀なデータサイエンティストは世界中で不足しており、給料の高い仕事の一つであるとも言われています。

ビッグデータ

インターネットやIoT機器を使って集められた膨大なデータのことです。
お店の売り上げ、駅での乗り降り、道路の混雑など、以前はそれぞれ個別に手間をかけて測定・収集しなければなりませんでした。現在では売り上げはポスレジから、駅の乗り降りは開札機から、道路の混雑具合は道路上のセンサーから即座にクラウド上に集められます。これがビッグデータです。
ビッグデータは人工知能を使って分析され、売れ行きの良い商品を早めに補充するなどといった活用がされています。

スマート家電

スマートホンやスマートスピーカーなどでリモートコントロールできる家電のことです。音声認識機能やスマホアプリを使い対応している照明、エアコン、テレビ、ドアや窓の錠、見守りカメラなどを操作できます。
ただし接続トラブルやスマホを忘れたりすることでエアコンが動かせないとか、家に入れなくなることも起こります。

シンギュラリティ

人工知能が人工知能の開発を行うことでどんどん人工知能が進化し、ついに人間の知識を追い抜いてしまうことです。「技術的特異点」ともいいます。アメリカのレイ・カーツワイル博士は2045年にシンギュラリティが来ると主張しています。
今有る仕事の多くが人工知能に取って代わられる、人工知能が人間を支配するようになるという意見もありますが、人工知能が知性を持つことはあり得ず、シンギュラリティは到来しないという意見もあります。

ダートマス会議

1956年7月から8月、アメリカのダートマス大学に人工知能の研究者が集まって開いた会議のことです。
最先端の人工知能研究者10人が集まり、1か月にわたって議論を重ねました。
できあがった提案書に世界で始めて、人工知能を指すエーアイ(AI)という言葉が使われました。

ロボット

人間に代わって、ある程度自動的に作業を行う機械のことです。
人間を模したASIMOやペッパーなど人型ロボット、犬に似せたAIBOなどエンターテイメント・愛玩用ロボットと機能に徹している掃除用ロボット、工場用ロボット、警備用ロボット、軍事用ロボットなどがあります。介護や物流で使われているパワードスーツもロボットの一種と言えます。
SFやアニメに登場する鉄腕アトムやドラえもんのように意思・感情を持って人間のように動くロボットはまだ実現していません。
日本では江戸時代、ゼンマイで動いてお茶を運ぶ「茶運び人形」などが作られ、ロボットの原型と言われています。

強いAI・弱いAI/汎用AI・特化AI

意思を持ち、自律的・総合的な判断ができる人工知能を「強いAI」、人間の命令に従って動き、特定の業務に特化した人工知能を「弱いAI」といいます。
強いAIは鉄腕アトムやドラえもん、ターミネーターのスカイネットなどSFやアニメ作品の中に登場するだけで、2020年には実現していません。
汎用AIは人間と同じようにさまざまな課題を処理できる人工知能のことです。特化型AIは画像認識や自動運転、ゲームなど特定の分野において課題を処理できる人工知能のこと。汎用AIも2020年現在、実現の目処は立っていません。

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